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歯の治療を始める前に


こんにちは。院長の林です。

今日は『歯の治療を始める前に』というテーマでお話したいと思います。

 

 

通院していて起こりうることが、途中で治療をやめてしまうことです。

仕事や生活の都合により、治療ができなくなってしまうことはありえます。しかし、お口は使わないでそのままにしておくことができるものではありません。

ですので痛みがないからと放っておいてしまうと、病気が大きく膨れ上がってしまって手遅れになってしまうことがあります。

歯を残すためには適切な治療を、適切なタイミングで行う必要がありますので、治療を行う前に知っておいたほうがいいことについて今回はお伝えしたいと思います。

 

 

まず歯のことは『家』と考えていただくことが大切です。

毎日住んでいるご自分の家です。しかも一生そこに住まなくてはいけません。

そしてある程度の修繕やリフォームは出来るのですが、建て直し(生え変わり)はできません。

だから適切な工事(治療)が適切なタイミングで求められるのです。

 

家には基礎や柱などの構造物があり、それを外壁や屋根で覆っています。

歯ではこの基礎が『顎の骨や歯茎』に当たります。柱は『歯の根』です。

そのうえに壁や屋根といった上部構造物、『詰め物・被せ物』があります。

歯周病治療は家の基礎工事、根の治療は柱を打ち込むようなものと考えていただけるとわかりやすいと思います。

そういった基礎や柱が正しく建てられた上に、壁や屋根がつくことでそこに住んでいけるわけです。

 

では治療を途中でやめるというのはどういうことでしょうか?

それは工事の途中で野ざらしにしておくことを意味します。

口の中は毎日の食事により、食べ物や飲み物が入ってきます。これは雨や雪が降ったり海水を被るのと同じです。

また噛むという動作により歯は揺らされます。そう、地震が起きるのです。

 

家は雨や雪、そして地震に耐えるように設計されていますから、普通は問題ありません。

ただ、工事の途中ではどうでしょうか?

基礎が固まり切っていない、柱が固定されていない、屋根がついていない状態で放っておいて大丈夫なのでしょうか?

答えは「NO」です。

固まりきっていない基礎は雨風により浸食され、丸出しの柱は腐食します。

もしかしたら仮詰めがされているかもしれませんが、これはブルーシートで保護してあるようなものです。

ただ雨風でブルーシートがはがれていたとしたら、穴が開いていたとしたら、結局は意味がありません。

何カ月もその状態で放っていたあとに、『工事の続き』ができるのでしょうか?

当たり前ですが、できません。全てダメになっていることがほとんどです。

 

 

そもそも詰め物や被せ物はなんのために入れるのでしょうか。

噛むため、食べるため、見た目のため。

たしかにそれも正しいのですが、歯の内部の弱い構造物を保護するためでもあるのです。

もし屋根が取れたまま、壁に穴があいたまま、住み続けていたらどうなるでしょうか。

水が内部に侵入し、柱や壁などの重要な構造物を腐らせてしまい、雨漏りで内部がぐちゃぐちゃになるところまで放っておいたら、全部だめになっていた。そんなことが予想されますよね。

歯も同じです。欠けた、痛くなった、腫れたといった症状が強く出てからで大丈夫なのか?

残念ながら治療が難しいことも多いのです。

 

詰め物や被せ物がとれた、歯が欠けたというのは、屋根や壁が崩れたり取れてしまったのと同じことです。

すぐに穴を塞いでいければ良いのですが、痛みがないから、住めているから、困っていないからと放っておいてしまうとどうなるかわかりません。

痛くなってきた、腫れてきた、揺れてきた。これは水が漏れてきた、配線がダメになった、家が傾いてきたと同じようなことです。

大がかりな治療(工事)が必要となるかもしれませんし、家ごと全部ダメになっているかもしれないのです。

 

ただ家と歯の大きな違いは、『買い替えはきかない』ということです。

一定のラインを超えて悪くなってしまった歯は抜くしかないことも多く、抜かずに残したいと多くの問い合わせをいただきます。

もちろん残すチャンスがあれば全力で治療を行いますが、どうしても無理な状況というのも少なからずあるのです。

 

ですから治療を行う前に知っておいていただきたいのです。

歯はご自分の大切な家なのです。その家の工事を行います。

中途半端に屋根や壁を取り外してるのに、工事を中断してはとんでもないことになるかもしれません。

必ず、しっかりと必要な工事を完了させることを目標にしてください。

そうすることで無駄な治療を減らせ、時間や費用もかからなくなります。

そしてもし、どうしても通院が難しくなりそうならばぜひご相談ください。

治療を始めないことで歯を守れることがあります。後回しにできる治療もあるかもしれません。

 

当院では必要な治療をしっかりと完結させるためにも、カウンセリングシートを用いて治療計画についてのご説明を行っております。

いままで歯の治療を放っておいてしまった、治療を中断してしまった方も、出来るだけ早くご自分の歯を守るために治療を受けることをおすすめ致します。

当院ではしっかりとした治療を提供するために、時間をしっかりと確保し準備を整えて治療に当たっております。

ですので予約制診療とさせていただいておりますので、もし検査や治療をご希望する場合はお電話にてご予約をいただけますようお願い申し上げます。

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