ブログ
Blog
ブログ
Blog
こんにちは。院長の林です。
新型コロナウイルス感染症と舌や口腔内の関連についてのお問い合わせがとても多いため、多くの方が心配に思われていることについて現時点でいくつかお答えできることをまとめておこうと思います。
よくあるお問い合わせは以下になります。
これらのお問い合わせがございますので以下に現時点でわかっていることをまとめます。
スペインにおける研究では、新型コロナウイルス感染症に伴う舌の炎症や口内炎、粘膜炎などの口の中の異常が約4分の1の患者さんにみられたといわれています。
これは感染後に発熱や咳などの症状が出る前に発生することもありますし、あとになって症状がでることもあるようです。
つまり絶対に発生する症状ではありませんが、『新型コロナウイルス感染症にかかると口の中になにかしらの症状がでることがある』ということがわかっています。
ただし、こういった症状は普通の風邪やインフルエンザなどにおいても発生することがありますし、歯周病や単純にお口の清掃不良によって引き起こされるものでもあります。
つまり口内炎・粘膜炎・舌炎などは新型コロナウイルス感染症による1つの症状としてあり得るものだと思いますが、それだけで新型コロナウイルスに感染したかどうかを疑えるわけでもないので、発熱の有無や全身の倦怠感、咳などの症状を併せて確認したうえで、医科を受診していただくのが良いでしょう。
歯科医院ではPCR検査は行っておりませんので、歯科医院に問い合わせいただいても現時点では限界があると思います。
では口の中の病気との関連性ですが、英国における研究で『新型コロナウイルス感染症で死亡した患者さんの口腔内から多くの歯周病菌が検出された』というものがあります。
そもそも歯周病は口腔内の細菌によって歯茎に炎症が引き起こされることにより発症する病気です。
つまり『歯周病により炎症が引き起こされている歯茎は脆弱であり、あらゆるウイルスや細菌に対して抵抗性が弱まっている』と考えられると言われています。
子供の新型コロナウイルス感染症が少ないことや重症化リスクが低いことが、歯周病に伴う歯茎の炎症となにかしらの関連がある可能性はあるでしょう。
ちなみに日本の参院予算委員会においても『歯周病患者の死亡リスクは、歯周病でない患者に比べて。約8,8倍。』という報告もされています。
そもそも以前より『定期的な歯科医院でのクリーニングを行っている高齢者は、やっていない高齢者よりインフルエンザに感染するリスクや細胞からのウイルス放出量が下がる』といったことがわかっています。
少なくともインフルエンザ予防に口腔内の清掃は効果があることがわかっているわけですから、歯周病治療やお口の健康が新型コロナウイルスの感染予防につながる可能性は高いのではないでしょうか。
さて、結論としてまとめますと、
『口の中に異常があったからといってすぐに新型コロナウイルス感染症を疑うわけではなく、体の症状と照らし合わせて、なにか他に異常があるのであれば医科(内科)を受診したほうが良い』
『口の中に病気があると新型コロナウイルスに限らず感染症にかかりやすいので、定期的なお手入れは歯医者で受けておくことが、感染予防に役立つ。』
以上となります。
ご参考になれば幸いです。
新型コロナウイルス感染症に負けず、明るい未来に向けていまはお口の健康から体の健康を維持できるようになりましょう。